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親を亡くした子どもたちの心と未来を遺贈寄付で支える/あしなが育英会

一般財団法人 あしなが育英会

あしなが育英会は、病気や災害、自死などで親を亡くした子どもたちや、障がいのために親が働けない家庭の子どもたちを、奨学金や教育支援、心のケアで支える団体です。その活動は、遺贈寄付をはじめとして全国から寄せられる寄付で支えられています。あしなが育英会が、現在力を入れる取り組みについて、教育支援事業担当の佐藤弘康さんと、遺贈相談室の一田隆司さんにお話をお聞きしました。(取材日:2024年6月14日)

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教育支援事業担当 佐藤 弘康さん(写真右)
中学生の時に父を病気で亡くし、あしなが育英会の奨学金を利用して進学。大学卒業後に同会に就職し2004年から6年間、ウガンダ共和国でエイズ遺児の教育プログラムに携わる。2020年に小中学生遺児の学習支援プログラムを立ち上げた。

遺贈相談室 一田 隆司さん(写真左)
前職で定年まで公益財団法人に出向していたことから、次の職場も社会貢献できる組織を希望して、2019年にあしなが育英会に転職。会計担当を経て2022年から現職。

目次:

1. 同じ境遇にある仲間との出会いが、前向きに生きるきっかけに

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___あしなが育英会というと、遺児への奨学金がまず思い浮かびますが、佐藤さんが在籍されている学生事業部では、その他にも奨学生同士をつなげる取り組みを行っているそうですね。その背景にはどのような現状があるのでしょうか?

佐藤)遺児家庭や親が障がいのために働けない家庭で暮らすお子さんは、学びや進学に希望が持てないことがあります。自分の将来を思い描くことが難しかったり、奨学金を利用して進学する選択肢までたどり着けないことがあります。同じ境遇にある仲間が集まることで、夢や目標を持つきっかけになり、活力を得る機会になります。

あしなが育英会では「奨学生のつどい」という、主に高校生の奨学生を対象とした3泊4日のキャンプイベントを、全国8会場で開催しています。班に分かれ、野外活動やグループワーク、自分自身のことや将来のことを考えるプログラムを実施します。

また、奨学金を利用して大学に進学した先輩たちがリーダーとしてサポートしており、高校生にとってはロールモデルのような存在になります。先輩や仲間と話し、「自分も進学したい」「同じような境遇だけど自分もできるかもしれない」と将来を思い描いていく。それが「奨学生のつどい」の大きな目的です。


___奨学生の中には、やがて後輩の遺児をサポートする側に回る子もいるそうですね。

佐藤)「奨学生のつどい」に参加した高校生の中には、募金活動に関心を持つ子もいます。大学進学後、次はサポートする側として積極的に参加する学生も増え、支援のバトンがつながっていることを実感しています。皆様からいただくご寄付は、奨学金という形で子どもたちを支えていくと同時に、同じ境遇にある仲間との出会いが、その子を支えるかけがえのない体験となっています。


___佐藤さんご自身も「奨学生のつどい」に参加された経験がおありだとお聞きしました。 その当時、感じていたことを教えていただけますか?

佐藤)私自身、父親を中学2年生のときになくし、あしなが育英会から奨学金を得ていたOBです。高校生のときプログラムに参加しました。当時は将来について積極的に考えることができず、「奨学生のつどい」への参加も、正直あまり乗り気ではありませんでした。しかし、実際に参加してみて、進学のことを真剣に考えるようになりました。

将来のために行動する大学生の先輩の姿を見て、本当にかっこいいと感じたんです。また、同じ境遇の仲間に出会えたことで、親への感謝や、前向きに生きようと考えるきっかけにもなりました。

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___プログラムを運営するなかで、印象に残っている出来事はありますか? 

佐藤)プログラムに参加した高校生の保護者の方から、お手紙をいただいたことがあります。その高校生には両親がおらず、お手紙をくださったのはおばあさんでした。手紙には、その高校生が、プログラムに参加するために、初めて新幹線に乗ったことが記されていました。普段は、家であまり話をしない子だそうですが、すごく明るい顔で帰ってきて、いろいろな話をしてくれたそうです。孫の成長を感じることができたと、感謝の言葉が綴られていました。

参加した本人だけでなく、関わる周囲の方々にも変化をもたらす活動であることがとても嬉しかったです。「奨学生のつどい」が、奨学生が抱える問題すべての処方箋になるわけではありませんが、大切な支援だと感じています。

2. 支えられる側から支える側へ、つながる支援の輪

今、あしなが育英会が力を入れているのが、小中学生を対象にした学習支援プログラム「ラーニングサポートプログラム(LSP)」です。大学奨学生を中心とする「ラーニングサポーター」が、親を亡くした小中学生と1対1のペアを組み、毎週1時間オンラインで学習支援を行う取り組みです。コロナ禍の2020年秋にスタートしました。

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___プログラムを開始したきっかけは何ですか?

佐藤)これまであしなが育英会で教育面を支援してきたのは、奨学金の交付が始まる高校生以上が中心でした。しかし昨今、家庭の経済状況によって、学力や生きる力に格差があることが大きな課題であることが明らかになっています。

奨学金のサポートが始まる高校入学前の段階に、すでに大きな分岐点があり、ロールモデルや情報の有無がその状況に大きな違いをもたらしています。早い段階で、その格差を埋める取り組みが必要だと考え、小中学生向けの学習支援プログラムを開始しました。


___どのような学習支援を行なっているのでしょうか?

佐藤)学校の主要5教科から1教科を選んで学習支援をしています。学力を上げることだけが目的ではなく、参加者が目標を持って継続的に学ぶことで、自己肯定感を高めたいと考えています。

学習内容はペアごとに構成しますが、学習支援の1時間の中で10分ほど、自分自身のことを話したり情報交換をする時間を持つように伝えています。そこでの会話や様子も含めて、ラーニングサポーターは終了後にサポート記録を提出します。それが担当職員と保護者に送られる仕組みで、継続的な学習支援を軸に、安定したプログラムの運営を行っています。


___あしなが育英会の支援の特徴やサポートプログラムを実施してみて今感じていることを教えてください。

佐藤)「奨学生のつどい」のように、支援を受ける側だった子どもたちが、今度はサポートする側にまわって支えるのがあしなが育英会の活動の特徴です。恩送りの精神が安定したプログラム運営につながっています。ラーニングサポートプログラムを開始して4年が経ちますが、プログラムに参加した子どもたちが希望の進路に進み、今後は後輩たちをサポートする側として関わってほしいと願っています。これからもさまざまな環境で暮らす子どもたちの支援ができるよう、活動を続けていきたいと思います。

3. あらゆる子どもたちの可能性を信じ、挑戦する機会を

___最後に、遺贈寄付を検討されている方々へのメッセージをお願いします。

佐藤)どんな境遇にある子どもたちでも、その可能性を信じ、挑戦する機会をつくることは、社会全体にとって大切なことだと思います。遺贈寄付をはじめ、あしなが育英会にいただくご支援は非常に大きな力となっており、感謝しかありません。まずは私たちの取り組みを知っていただき、関心を持っていただけると嬉しいです。

一田)あしなが育英会は遺贈寄付に力を入れて取り組んでいます。金銭によるご寄付のほかに、不動産や有価証券などの遺贈も承っており、これまでさまざまなお問合せに対応してきました。遺贈相談室の専門ダイヤルもありますので、どうぞお気軽にご相談のご連絡をください。


遺贈相談室直通フリーダイヤル
0120-971-546(受付時間 平日9時~17時)
メール legacy@ashinaga.org

4. 寄付の使い道について

あしなが育英会への寄付の使い道は大きく分けて5つあり、使い道を指定することもできます。

・あしなが育英会の活動全般
・国内遺児の奨学金
・国内遺児の心のケア
・東日本大震災遺児の支援
・海外遺児の教育支援

5. 団体紹介

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・団体名
一般財団法人あしなが育英会

・所在地
東京都千代田区平河町2-7-5 砂防会館本館4階

・代表者
会長 玉井 義臣

・設立年
1993年

・受賞歴
朝日社会福祉賞(2004年)
エレノア・ルーズベルト・ヴァルキル勲章(2015年)
後藤新平賞(2018年)

・ビジョン・ミッション
親を亡くした子どもの心を癒し、進学を支える

・活動内容
親を亡くした子ども、障がいのため親が働けない家庭の子どもを物心両面で支えています。現在、本会の奨学金を利用している遺児は約7000人。心のケアや進路相談まで目的とした宿泊研修、大学奨学生向けの寮の運営や海外体験の推奨、小中学生も対象の教育サポートなどを行っています。アフリカの優秀な遺児を祖国のリーダーに育てる長期計画も進めています。

1. あしなが奨学金・教育支援
高校~大学院の遺児や親が障がいのため働けない家庭の子ども対象の奨学金と、大学生対象の学生寮(寮費月1万円)の運営を通して、希望すれば誰もが平等に教育を受けられる社会を目指します。小中学生遺児対象の教育サポートも実施しています。

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2. 心のケア
親を亡くすことで子どもの心は深く傷つきます。私たちは1995年の阪神・淡路大震災をきっかけに心のケア施設「レインボーハウス」を神戸市に建設。現在は全国5か所のレインボーハウスで遺児の心と明日を応援し続けています。

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3. アフリカ遺児高等教育支援100年構想
アフリカの優秀な遺児を選抜し、世界各地の大学に留学する機会を提供することで、母国の発展を担うリーダーを育成しようという構想です。日本への留学生も増えており、日本の遺児の国際性を育む役割も果たしています。

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